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鯛は魚の王様ですね。身はもちろん骨まで美味しい!

  • 執筆者の写真: Kaz Saito
    Kaz Saito
  • 2022年3月1日
  • 読了時間: 3分

2月のGON'S KITCHENのメインの食材は真鯛。がんばって天然ものを仕入ましたよ。


養殖ものは、浅いところで餌やりをするので、まじ日焼けして黒ずんでるんです。その点、天然ものは、本当にきれいなピンク色。これから桜の時期にかけてはさらにその色が鮮やかになって桜鯛と呼ばれるようになります。


鯛は1.5キロを超えると脂がのって美味しくなるといいますが、今回は土日でそれぞれ一尾ずつ扱えるようにと1.2キロのものを二尾仕入ました。それでも風格があって、やっぱり魚の王様だなあと感じ入ります。


これを三枚におろすのですが、まずうろこはらうところからす。大きく固いうろこをこけ引きではらいます。うろこをはらう道具のことをなぜかこけ引きというんですね。鯛のうろこは固く、引くごとにバラバラと弾けます。回りに飛び散ると面倒なので、上からレジ袋などを掛けるといいですね。また、水で流しながらうりこをはらうのもお勧めです。


うろこをはらった鯛をまな板の上にのせて、頭を落とします。今回はたすき落とにします。胸びれを頭に付けて、上から腹びれめがけて一刀両断にする落とし方です。


そして腹を割って、内臓を取り出して、腹腔をよく洗えば準備完了。ここから三枚おろしが始まります。

さて、関東での三枚おろしでは背から包丁を入れます。腹を手前にして尾からおろすほうが中骨にすぐに当たって楽におろせるともいいます。が、江戸は武家文化ですから、腹側から切るのを腹切りにつながとして嫌い、背からおろす習わしとなったとされています。



その他、魚は頭を左にして運ぶことから、その状態で上になった身が下よりも痛まないことから、上身を刺身に持っていくなど、大切にすることからも背おろしにする理由があるともききました。


頭を落とし、腹腔を洗った鯛を背を手前に置いて、背腹の順に包丁を入れて上身をおろします。上身が取れたらそれをひっくり返して、下身を背腹と下ろしていくわけです。鯛は硬骨魚なので、包丁のしのぎで骨を感じやすく、おろしやすい魚ではないでしょうか。


身をはすせば残るのは中骨。三枚おろしとは、上身、下身、そしてこの中骨を加えて三枚としたことから、この名があるわけですね。御存知でしたか。僕は自分でおろすようになって、はじめて知りましたよ(苦笑。

身はもちろんですが、この中骨も実はいい仕事をしてくれます。なので、教室では希望があれば中骨を持って帰ってもらいます。


骨を4つぐらいに切り分けて霜降りした後、じっくりと煮出せば美味しい汐汁の出来上がり。骨に残った身も余さずいただけるわけです。


おっと、最初に落とした頭も、これまた美味しくいただけるんです。口から包丁を入れて半分に割るなし割りにして、立て塩できれい洗って、ひれに飾り塩をして、これをただ焼くだけで、立派なかぶと焼きの出来上がり。身もたっぷり残っているので、食べ応えもあります。


このように、上身はお刺身、下身は塩して焼き物に、そして頭はかぶと焼き、骨は汐汁にと、鯛ってほんとうにわた以外捨てるところがないんです。その点からも鯛は魚の王様といってもいいかも。


今回、海が荒れて1.2キロの天然鯛で4200円ちょいと高めでしたが、これだけ楽しめれば文句なしですよね。教室では6名でお刺身をいただきましたが、それでもまだ余裕がありました。実は残ったお刺身は、現在、昆布〆に。こうすればさらに保存が可能です。


魚をおろすって本当に楽しいものなんです。機会があったらぜひこのおろす技術を身に付けるといいですよ。もちろんGON'S KITCHENでもお教えしていますので、ご参加お待ちしています。

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