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追い込みちらしずし、その美味しさと名前の由来など

  • 執筆者の写真: Kaz Saito
    Kaz Saito
  • 2022年3月10日
  • 読了時間: 3分

近茶流の柳原料理教室は、1年目が本科、2年目が研修科となっており、それぞれ月2回の稽古があります。

この2年間で和食のいろはを学ぶのですが、1年目の本科で3月に習うのがこの追い込みちらしずしです。

一般的には五目ちらしずしとなりますが、近茶流ではあえて追い込みと呼びます。


追い込み、というとなにやら切羽詰まった感じですが、いやいや、そうではありません。味を追い込んでいくことに、この由来があります。味を追い込む?となりますが、要は煮汁をどんどん濃い味にしていくんですね。


だし、砂糖、醤油で作った最初の煮汁でまず人参の線切りを煮ます。


続いてその残り汁に砂糖と醤油を足して、干し椎茸を戻して線切りにしたものを煮ます。


さらにその残り汁に砂糖と醤油を加えて、油揚げの線切りに味を煮含めます。


具材の味から出る旨みをしっかりと次ぎの煮汁に使う、これが味の秘密でもあり、この工程を「味を追い込む」と表現した訳ですね。


さて、こうして味を含めた人参、椎茸、油揚げですが、これがすしめしの具となります。

炊き立てのご飯を飯台にあけすし酢を一気に掛けて、宮島で切って全体に酢を馴染ませます。このときに、団扇で扇ぐ印象がありますよね。これ、やってはいけないんです。すし酢は温かいご飯でないとうまく馴染んでくれない。なので団扇で冷ましてはいけない、ということなんです。


すし酢が回ったところで、先ほど味を入れた人参、椎茸、油揚げを混ぜ入れます。宮島でお米の粒を潰さないように切りながら、均等に混じるようにしましょう。このときには全体を団扇で扇いで冷まします。


こうしてできたすしめしだけでもとても美味しいのですが、その上にまぶす具材にも意味があります。

使うのは錦糸玉子、蓮根の甘酢漬け、絹さやの線切り、紅生姜、そしてもみ海苔。近茶流のオリジナルは写真のように対角線で割った四等分にそれぞれの具材を盛り込み、その中央にもみ海苔を置きます。

色合いがほんとにきれいですよね。


さてこの意味とうのは、伝統和食の基本「五味五色」なんです。


五味とは料理のさしすせそでもありますが、甘味・塩味・酸味・苦味・旨味の五つの味をいいます。

そして五色とは、緑・赤・黄・白・黒の五つの色合いなんですね。


追い込みちらしずしの具材の色合いがこの五色なんです。ほんときれいですよね。おっと、きれいなばかりではなく、すしめしと混ぜていただくと、本当に豊かな味わいとなります。


この追い込みちらしずしですが、生ものを使っていません。なので、海鮮ちらしより、長持ちしますので、春のお出掛けのお供にもいいんです。そんな訳で、今回はお弁当仕立てにしてみました。具材を分けて乗せるもよし、ちらしてみるのもよしですね。



合わせるおかずは、竹の子たこ菜の花の炊き合わせ、こはだの粟酢漬け、いちごの白和えとしました。

このお弁当を持ってみんなでお花見行きたいですよね。今年こそ!ですね。


※3月のGON'S KITCHENでこの追い込みちらしずしをお教えします。当教室は8月を除く毎月第四土日に開催しております。ご興味のある方、ご連絡お待ちしております。

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