終焉を自ら決めた、ある歯科医師の決断
- Kaz Saito
- 2022年4月5日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年4月7日

歯が弱点の僕、インプランがすでに5本。そのうちの4本は東中野にある歯科医院でお世話になりました。
こちらは、歯科衛生士のダンス友だちから教えてもらったところ。とにかく評判がいい。その理由をまとめると以下のとおりとなります。
・担当の歯科衛生士の対応が素晴らしい
・インプラントの料金が破格に安い
・先生の手術の腕がいい
先生と患者ではなく、まず患者ごとに担当歯科衛生士がつきます。その担当がこちらの歯の状態を把握し、最善の方法を先生と相談して、その結果を伝えてくれます。インプラントと決まったら半年先までの予約を確定し、手術からアフターケアまで一連の流れに乗せてくれます。
今のところインプラントは自由診療です。すでに経験されている方ならば、1本40万円から50万円というのが世間の相場だということ御存知ですよね。ところが、こちらはなんとおおよそその六掛けでインプラントを実施してくれました。
こちらはAQBインプラントという術式なのですが、こちらの先生はその伝道師のような方で、知識も技術も超一流。金額もそうですが、身体への負担もミニマムというのが、僕の実感です。
それが評判となって全国から患者が集まってきて、それこそ予約の取れない歯科医院となっていたわけです。
ところが、先日、1年検診で、その医院を訪ねたところ、なんと来年6月での閉院と知らされ、先生からのメッセージレターを手渡されました。
それによると、大筋は以下のとおりです。
・50歳で勤務医から開業、今年て25年となった
・70歳のときから終焉を考えてきた
・終焉マネージメントできる体力を残してピリオドを打つ
先生の終焉マネージメントとは、AQBインプラントのオンライ研修ができる仕組み作りとのことです。それを実現するためにはこれまでの患者のカルテが必要で、そのカルテを渡すこごが前提となる居抜きで歯科医院を譲ることはできない、というのです。
先生の後継者にそのまま譲れば患者のためになのではと普通に思ったりしますよね。ところが、先生によるとこれまでのように歯科衛生士4〜5人での患者担当制を引き、最善の医療を提供できると保証することはできない、しかも自分の命の次ぎに大切なこれまでのカルテを手放すこともできない、従って閉院という結論に達したということなのです。
僕は2021年に70歳となりました。先生のように、あと5年で終焉マネージメントに入ることを自ら決意できるのでしょうか。今、自らに問えば、自信がない、というのが正直なところです。
なんかジタバタしているうちに、人生が終わってしまうような気がします。
終焉までにやるべきことがないのかもしれません。生きているだけで儲けものと思って生きてきましたから、終わることまで気が回っていませんでした。
先生の引き際を間近に見て、自らの人生に責任を持つ最上の方法が、人生の終焉を自ら決めることではないかとの想いに至りました。
今、熱中していることでいえば和食の普及でしょうか。あと5年がんばって料理教室を続け、あとの5年で後世に伝える形を作る、というとなんかカッコつきますよね。それを目標にがんばってみましょうかね。
そうそう、先生のメッセージの最後あたりに、当医院ではインプラントを一部の富裕層だけのものではなく一般に普及すべきとの信念で破格の値段設定としてきが、他の医院では高額になることごめんなさい、とありました。これが一番痛いかも、ですよね。どなたかいい歯科医院があったご紹介くださいませ。
※写真は4月の料理教室の献立の一つ、穴子とよもぎ麸のお椀です。
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