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浅井竜介さんの器との出会い。作家ものを使う喜び

  • 執筆者の写真: Kaz Saito
    Kaz Saito
  • 2月17日
  • 読了時間: 3分




2014年、新宿御苑の事務所にキッチンを作り、柳原料理教室で教わった和食を、友人、知人など身の回りの方に教えはじめました。


その時、一度に最大6名の生徒さんを迎えられるように器を揃えたのですが、すべて新しいものとはいかず、かみさんが好きで集めていた砥部焼きを拝借してまずはスタート。


御存知のとおり愛媛県砥部町の名産で、白地に呉須(ごす)の絵柄が描かれているのが特徴。比較的厚手で丈夫、日常遣いに最適な磁器の器で、今でも重宝して使っています。


とは言え、教え始めて2年ほど経った頃、献立の数が増えるに従って、いつも白地に呉須の器に盛り付けるのに教える側も教わる側もあきてを感じ始めました。


赤坂の本校での稽古では、献立ごと、季節ごとに器を替えて、その器に合った盛り付けをしており、これこそ日本料理の醍醐味と感じるわけです。


そこで新しい器探しを始めたところ、自分の生徒さんから、陶芸家の浅井竜介さんを紹介いただきました。私の世代にとって、浅井といえばフォトグラファーの浅井愼平、彼の写し取った南の島の写真にどれだけ憧れたことか。まさに一時代を築いた写真家ですが、竜介さん、その愼平さんのご子息だったんです。


聞けば浅井家はもともと陶芸家の家系で、祖父は矢野陶々という血筋。早稲田大学で近代工芸史を学んだ後はロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ大学院で陶芸の理論、実技を修めたという華やかな経歴をお持ちの方でした。


伝統的な技術に竜介さん生来の感性をフュージョンした茶陶が評価されていますが、その彼が年に一度、生活器の個展を下北沢の画廊で開催されています。


茶器は相当なお値段で手がでませんが、その生活器展ならば料理教室人数分の6脚を揃えることも可能。毎年の個展の度に買い集めた陶器の器が今のお気に入りとなっています。


その中でも七寸の平皿が大のお気に入りで、釉薬・焼きもバリエーションいろいろ、さらに手書きの絵柄も一枚ごとに個性的です。お造りはもちろん、口代わりの数点盛りも楽しめて、何度使っても使い飽きることがありません。


白地に織部の釉薬を大胆に回しかけた向付もオリジナリティ溢れています。ろくろで成形してから敢えて形をゆがめています。それぞれのフォルムに合わせて前後を決めて、その中に料理を盛り組むのは、器の作家とコラボ



レーションをしていると感じられ、とても楽しい工程となります。


最近では金目鯛の田毎蒸しにこの器を使いましたが、棚田に映る満月の風情が再現できたと自画自賛しています。


折敷に器を並べた時に、立体的にしたいと高台付きの小皿もオーダーメイドしたのですが、その解釈も竜介さんのオリジナリティが溢れており、写真の通りの器が出来上がってきました。これにはおはぎを置くもよし、強肴を盛るもよしで、様々な場面で使っています。



さらに紹介したい個性溢れる器たちもありますが、今回はこの当たりで止めておきましょう。実は浅井さんの器たちを収納するための棚もオーダーメイドで作ったので、その全景を写真で掲載しておきます。棚の下はスタックできる稼働式のキッチンワゴンがサイズ違いで3つ収納されているんです。この制作過程も機会があったらしたいと思います。


浅井竜介さんの器にご興味があれば、お気軽にお声掛けくだださい。次回の個展のときにご一緒いたしましょう。


■浅井竜介さんのサイト

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