春の皿には苦みを盛れ。ねぼけた身体にカツを入れる?
- Kaz Saito
- 2021年3月30日
- 読了時間: 2分

3月の料理稽古、無事、することができました。ご参加の皆さま、ありがとうございます。
今回は魚2種、貝2種に海老も加わり、さらに煮る、蒸す、揚げると手数も多く大変でしたが、その分、充実感もたっぷりでしたね。
それぞれとても美味しくできましたが、改めて春だなあ、と感じたのは、ふきのとうの苦みを感じたときです。
春の皿には苦みを盛れ、ということわざがあります。冬眠から覚めた熊ちゃん、まず食べるのがふきのとうだとか。その苦みで寝ぼけた身体にカツを入れ、冬の間に溜まった老廃物を取り除いているんですね。
わたしたちも同じく、冬の寒さで代謝が落ちた身体に苦みを入れることで活性化させているのでしょう。
そうそう、今回は竹の子も使いましたが、米ぬかや赤唐辛子で下煮をしてあくを抜きますが、それでもほのかな苦みが残ります。これがまた季節の味、料理のアクセントとなっています。

和食では五味とよくいいますが、これは「甘味、塩味、酸味」に「苦み、うまみ」を加えたもの。日本人は古来よりわずかな苦みも舌で感じることができたようで、それを味として料理に生かしてきたわけです。
さて、話しは戻ってふきのとうです。今回は天ぷらにしました。穂先を手でほぐして揚げ衣を付けてそのままの形で油鍋へ入れます。衣がかちっとなったところで出来上がり。温かいうちにと器に盛る前につまみ食い。いや、おいしい。油で揚げることで強い苦みが柔らかくなり、かみしめると春の香りが鼻に抜けます。
これと合わせたのが、やはり春の食材、白魚(しらうお)ですね。こちらを丁寧に一本ずつ衣を付けて揚げるという(^_^; 手間はかかりますが、ふっくらとした揚げ立ての味といったら、やめられないとまらない状態となります。
ほのかな苦みのふきのとうと繊細な味の白魚の一本あげ、まさに春のベストコンビメーションでした。
さて、来月はどんな献立にいたしましょうか。竹の子はまだおいしい時期が続きますので、使いたいところ。春本番の料理を考えますので、GON’S KITCHENをご贔屓のほど、よろしくお願いします。
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